120時間駆動を実現! 次世代スプリングドライブを搭載したグランドセイコー
グランドセイコーから、新たなセイコー創業140周年記念限定モデルとして、年輪をモチーフにしたダイアルの「SLGA008」が発表された。高精度はそのまま、より薄型化長時間持続化され、快適性も増した、新型スプリングドライブムーブメント「キャリバー 9RA2」を搭載している。
暖かみのある年輪ダイアルと18Kピンクゴールドケースが調和
目を引くのは2021年2月に登場した「SLGH007」と同じ、年輪をモチーフにした木目調のダイヤル。セイコーの進化と、1年ごとに増えていく年輪とのイメージを重ねてデザインされている。木目の間にも細かな筋目加工が施されたダイヤルは、カラーが樹木に近いダークブラウンになったことも相まって、よりダイナミックで暖かみのある仕上がりに。
そのダイヤルへ自然に溶け込む18Kピンクゴールドのケースは、1967年に登場しセイコースタイルを確立した「44GS」の系譜を継いでいる。平面と鏡面を中心に据えたデザインは光に照らされた際の陰影をハッキリさせるが、当モデルには筋目が加わったことで光と陰の間も表現。派手さよりも落ち着きを求める、日本人の感性に合った趣向といえるだろう。
そして、そのケースの成型に欠かせないのが、超平滑な面を作るための“ザラツ研磨”である。研磨紙を貼り付けた回転盤の正面に、ケースを押し当てて金属面を平らに形成する難易度の高い工程が、熟練の職人によって施され、歪みのない美しいケースが生み出されている。
●機械式とクオーツ両方のメリットを兼ね備えるスプリングドライブ
そして、当モデルの登場で話題になったのが、新型スプリングドライブムーブメントの「キャリバー 9RA2」。まずは、セイコー独自のスプリングドライブムーブメントについて、時計ジャーナリストの渋谷康人氏に伺った。
「スプリングドライブは、400年の歴史を持つ機械式時計の歴史あるメカニズムの、精度を司る部分だけをクオーツスーパーコピー 時計の回路を使って電子化したムーブメント。1999年にセイコーが開発・実用化し、現在もセイコーだけが製造している、時計の歴史に残る画期的な駆動方式です」
「機械式時計の、ゼンマイや歯車で構成される“機械の小宇宙”を眺める楽しみに加えて、クオーツと同じ精度を備えている、進化した機械式時計なのです。この新作はその最新版を搭載しています。駆動時間も精度も、従来のものより格段に進化しています」
スプリングドライブとは、機械式のようにぜんまいを動力源としてローターを回転させ、その運動エネルギーを電気エネルギーへと変換し、今度はクオーツのように電気で水晶振動子を駆動する仕組み。機械式とクオーツの“いいとこ取り”をしたハイブリットなムーブメントだ。
当モデルに搭載された「キャリバー 9RA2」はそのスプリングドライブの新型であり、驚異的な120時間のパワーリザーブを備え、月差±10秒の精度を持つ「キャリバー 9RA5」をベースに改良が加えられている。
注目すべきは、パワーリザーブインジケーターが裏ブタ側に移されていることで、ケースバックから確認できるように変更。これにより文字盤の視認性を高めているのも特徴的だ。また、オフセットマジックレバーを採用することで薄型化。りゅうずの位置を裏ブタに寄せることで時計の重心を下げ、腕になじみやすくなっていることも改良点として挙げられる。
さらに、ムーブメントには、ケースバックから眺めた時にスプリングドライブ生誕の地である信州の自然を感じられる、“信州霧氷仕上げ”なる加工も。実用性と快適性が増しただけでなく、外観にまでこだわった新ムーブメントが搭載された「SLGA008」(550万円、消費税込・以下同)は、世界限定140本で11月19日より発売予定。
<商品仕様>
ケース径:40mm
ケース厚:11.8mm
ケース:18Kピンクゴールド
ストラップ:クロコダイル
ガラス:デュアルカーブサファイア
ムーブメント:キャリバー 9RA2
駆動時間:最大巻上時約120時間(約5日間)持続
防水性能:日常生活用強化防水(10気圧)